hisanoriblog Written by Hisanori

【必見】手話における世界共通性の真実「全世界共通は存在しません」

JSL 知識

  • 手話が世界共通なのか知りたい
  • 世界共通の手話があるのか探している
  • 海外でも通じるのか知りたい

これらの疑問や悩みに答えます。

こんにちは、ヒサノリです。

この記事では、手話の世界共通性について解説します。

手話を学習し始めた頃、多くの人が最初に抱く定番の疑問があります。

おそらく、この記事を読んでいる方も、手話は世界共通なのではないか…と期待していませんか?

残念ながらその期待はハズレです

手話は自然言語であるという理解が大切。
上記の疑問を抱く人は「手話 = 言語」という理解が曖昧な可能性が高いです。

僕は学生時代から手話を学習し、独学で日常会話レベルまで到達しました。

現在も暇さえあれば手話について調べたり勉強しています。詳しくはこちらをどうぞ。

それでは、手話の世界共通性について見ていきましょう!

本記事の内容

手話における世界共通性の真実

手話における世界共通性の真実

手話は世界共通ではない

結論から言うと、手話は世界共通ではありません

その理由は、手話が自然言語だから。

自然言語とは、人が普段日常会話で使っている言語のことを指します。
例:日本語、英語など日常的に使われる言語全般

手話は言語であるという証拠は、全日本ろうあ連盟のHPに記載があります。

「手話言語」は手の形、位置、動きをもとに、表情も活用する独自の文法体系をもった、音声言語と対等な言語です。障害者権利条約の定義に手話が「言語」として位置づけられ、日本においても改正障害者基本法で初めて「言語(手話を含む)」と明記されたことで手話が言語として法的に認知されました。

全日本ろうあ連盟 「手話言語に関する見解」より

つまり、現代では世界的に手話が言語であると認識されているのが事実。

そのため、「手話は人の集団や環境・文化等によって自然に発達していく言語だからこそ、世界共通にはならない」と言えるわけです!

手話の自然言語性を「英語」から紐解く

では、手話が自然言語である証拠を見ていきましょう。

具体例として、今回は「英語」を取り上げます。
同じ言語圏の国でも、違う手話が使われているケースがこちら。

いかがでしたか?自然言語そのものだと感じられたはずです!

英語は地域によってイギリス英語・アメリカ英語などと呼び方が変わります。自然言語は環境などによって単語や表現が異なることは当たり前

つまり、これと同じことが手話でも見受けられるわけです!

上記の各手話を見れば明らかですし、イギリス手話(BSL)・アメリカ手話(ASL)・オーストラリア手話(Auslan)のように呼び方も大きく変わるのが事実。

だからこそ、「手話 → 自然言語である → 世界共通ではない」と言えます!

アイラブユーは世界共通の手話ではない

アイラブユーは世界共通の手話ではない

ここで以下の疑問を抱く人がいるはず。

「アイラブユーの手話表現は世界共通ではないの?」

※上の画像がアイラブユーの表現

結論を言えば、アイラブユーは世界共通の手話ではありません

世界に広く知られた造語です

アイラブユーは、アメリカの指文字( I, L, Y )を掛け合わせて片手でまとめたもの。

つまり、自然言語の手話からではなく指文字から作られています。

そもそも指文字は厳密に言うと手話ではありません。

[理由]
話し言葉の文字であるアルファベットを、片手で表現できるように人工的に作られたものだから。

そのため、アイラブユーは世界に広く知られた造語と言えるわけです!

常に複数の表現があることを前提に考える

常に複数の表現があることを前提に考える

ここまで読んで勘が鋭い人は1つ気づくことがあるはず。

「日本国内でも手話表現が違うことがあるのでは?」

大正解です!

手話は国内でも表現が異なることはよくあります。各地域の方言もあったりするので。

そのため、今後の手話学習は複数のツールを使うことを意識しましょう!

「1単語 = 複数表現」を意識することができるので、初見の会話で読み取れなくて詰む可能性が減ります。

そのため、特定の辞典だけで学習をすることは避けるのがベターです。

最後になりますが、以下に僕が実際使い分けているものを紹介しておきます。今後の学習に便利なので用意しておきましょう!